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映画「THE GUILTY」はワンシュチュエーション物の最高峰だ

映画「THE GUILTY」を新宿武蔵野館で見てきました。

見た感想としては「今まで見たワンシュチュエーション系の映画の最高峰!」でした。ワンシュチュエーション系というのは、ある特定の状況下のみで話が進行していくタイプの映画のことで、ずっと車の中で電話しているシーンが続く「オン・ザ・ハイウェイ」や、PCの画面のみで話が進む「search」などが挙げられますね。「SAW1」や「CUBE」もそうかな。

シュチュエーションが限定されているということは、

・ストーリーをきれいにまとめやすい が、

・脚本が面白くないと退屈

という脚本の面白さが如実に現れる設定ということになりますね。

今回見た「THE GUILTY」は、脚本も面白かったですし、「観客の想像力を利用した作品」として優れていたと思います。では紹介していきましょう。

あらすじ

「THE GUILTY」は音のみで状況を把握していかなければならないサスペンス映画です。

主人公は緊急通報司令室のオペレーターであるアスガー。些細な事件に応対するのが日常の業務であるが、ある時、不穏な電話がかかってくる。それは今現在、誘拐されているという女性からの電話だった。この電話を受けアスガーは、電話の音だけを頼りに、何とか彼女を救おうと奮闘していく。

ここが面白い!

音のみで表現される電話の向こう側

“犯人は、音の中に潜んでいる”。

キャッチコピー通り、電話の向こう側で何が起きているかは、映像として一切描写されません。今どこにいるのか、どういう状態なのか、誰と一緒にいるのか。すべては会話の内容か、環境音で把握し、想像するしかありません。

この映画のキモはそこで、音のみで状況把握がガラッと変わってしまいます。「誰が何をいった」とか「誰がどんな音を出してるか」を把握しないと話がわからなくなってしまうので、自然と意識を研ぎ澄ませて緊張感が高まります。非常に没入感が強いです。「今どうなってるの?大丈夫なの!?」と観客の関心を引き続けます。

もちろんこれ、脚本が面白くないとただただ退屈な仕掛けに終わってしまうので、飽きさせない工夫が非常にうまいなぁという感想を抱きました。

主人公のいる「こちら側」も注目

音だけで完結してしまうとかなり体験としては小説的になり、映画としての意味は?という感じなのですが、そこもしっかり主人公の描写でカバー。

舞台としてはオペレータ室のみで展開されていきますが、少しずつ変化が生まれていきます。この変化がうまい!映画の没入感をさらに高めています。ネタバレなしだとほとんど語れませんが笑

話が進んでゆくにつれ、感情が変化していく主人公にも注目してください。

まとめ

音+サスペンスは非常に相性いいなーと思いました。どうなるのか気になって仕方がない。

見終わった後は、想像力も活用したおかげか、心地よい達成感がありました笑

この映画の満足度、アメリアのレビューサイトでは満足度100%らしいですが、その要因として、音の向こう側を「自分の想像力で補完」することによる「コミット感」が寄与してくるんじゃないかなーと思いました。自分が達成感を感じた、ということはそういうことなのかなと。

 

いやー面白かった。オススメです。

正直上映映画館は少ないんですが、何よりも音が重要な、この映画の鑑賞はぜひ映画館で!

「ギルティ」公式サイト