睡眠にアルコールは良いのか？【結論：常習は避けよう】

という問いに対して解説します。

眠れない時やイライラする時にアルコールを飲んで眠る習慣のある人、多いのではないでしょうか。たしかにアルコールを飲むとすぐ眠れますよね。しかし実際に、睡眠に対してどのような影響があるのでしょうか。

結論としては、「寝つきはよくするが、睡眠の質は下がる」という結果になります。

1.アルコールがもたらす睡眠への影響

1-1.寝つきがよくなる

アルコールは睡眠時の寝つきをよくすることが研究によって実証されています。(1)

この効果が「眠りたいときにはアルコールを飲もう」と思わせるわけですね。しかし、アルコールにはデメリットもあります。

1-2.レム睡眠が減る

アルコールはレム睡眠を阻害する働きがあります。

レム睡眠とは、睡眠を段階的に分別した状態のひとつであり、短期記憶を整理して、記憶を定着させる働きがあるとされています。また、感情のストレスを処理している可能性があるとも報告されています。(2)(3)

アルコールは上記の悪影響を及ぼすため、眠りの質や記憶処理を低下させる可能性があります。

アルコールを飲んで寝ると、「寝つきはよかったけど、ぐっすり快眠ではないなぁ」という感覚、よくあると思います。快眠できないのはレム睡眠の阻害が原因ですね。

1-3.慢性的な飲酒の影響

慢性的なアルコール摂取によって睡眠の質が落ちることにより、日中の幸福感や学習能力に有害な影響をもたらすことが示唆されています。（5）

また、睡眠サイクルが乱れている人は、正常なサイクルで眠っている人に比べてアルツハイマー病に関係する兆候が多く現れることがわかっています。(6)

記憶や学習に関する分野で悪影響があることが伺えますね。

2.体験談：ストレスで毎日晩酌してたら病んだ話

僕の体験談を話すと、仕事のストレスで毎日晩酌してたらメンタルを病んだことがあります。

という悪循環にはまり、メンタルを病みました。

別に楽しく酒を飲んでいるわけでもなく、ただの依存でお酒を飲んでいたと思います。今思えば明らかに睡眠の質が悪かったですし、日中も頭が回っていませんでした。

誰かと楽しくお酒を飲むことも適度には大切だと思いますが、ストレスの掃きだめとして依存するような飲み方は悪い方向にしか行かないな、と身をもって知りましたね。

3.アルコールの良い影響

アルコールの良い影響についても紹介しておきます。少量のアルコールになら利点もあるんですよ。

少量のアルコールは創造性を高める

少量のアルコール摂取は、創造的な問題解決能力が上がることが研究によって示されています。一点に集中しがちな人間の視野を広げ、創造性を高めます。ただし飲みすぎると、認知機能全体が低下するとのこと。(8)

4.結論：アルコールは適度に楽しもう

アルコールは創造性を高めたり寝つきをよくする良い効果もありますが、睡眠の質は低下させてしまいます。

ストレスでついついお酒を飲みがちな方は、毎日の飲酒は避けて適度に楽しむように心がけると、睡眠の質が上がって結果的にストレスのない生活を送ることができるのではないでしょうか。

参考になれば幸いです、それでは。

参考文献
(1)(2)(4)(6)…SLEEP / ショーン・スティーブンソン
(3)REM sleep de-potentiates amygdala activity to previous emotional experiences / Els van der Helm, Justin Yao, Shubir Dutt, Vikram Rao, Jared M. Saletin, and Matthew P. Walker / 2011
(5)Pre-sleep drinking disrupts sleep / 2015
(7)Poor sleep linked to toxic buildup of Alzheimer’s protein, memory loss / 2015
(8)Creativity on tap? Effects of alcohol intoxication on creative cognition / Mathias Benedek, Lisa Panzierer, Emanuel Jauk, Aljoscha C.Neubauer / 2017