・時間をもっと有効に使う方法はないだろうか
タックです。今回は瞑想が集中力を高めることについて、お伝えしたいと思います。
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瞑想がもたらす集中力アップ効果
科学的な解明が進んでいる瞑想。瞑想することが、どのように集中力アップに影響してくるのでしょうか。見ていきましょう。
DMN(デフォルトモードネットワーク)が低下し、雑念が減る
DMN(デフォルトモードネットワーク)とは何でしょうか?
DMNとは、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭小葉などから構成される脳内ネットワークで、脳が意識的な活動をしていないときに働くベースライン活動です。自動車のアイドリングをイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。(*1)
車のアイドリングのように、ぼーっと何もしていない時間でも脳はエネルギーを消費しているんですね。その活動のことをDMNと言います。「心がさまよっているときに働く回路」とも言われるようです。つまりさまざまな雑念が頭の中にあるとき、DMNは活発に動いていると言えます。
そして重要なのは、脳のエネルギー消費の60-80%はDMNに使われているということです。DMNが活発に働いてしまうと、脳は疲れやすくなり、集中力も下がってしまうわけですね。
瞑想はDMNの働きを抑える
DMNの働きを抑えるのに、瞑想が効果的です。瞑想は、DMNの要である脳の部位の活動を抑えることができます。
瞑想をするときには、雑念が浮かんできたらすぐに意識を呼吸に戻す、というプロセスを続けることが多いと思いますが、これはまさにDMNを抑える行動そのものですよね。そうやって雑念をなくし、頭の中をクリアにすることによって、集中力を保ちやすくする効果が期待できます。
DMNはパソコンの常駐ソフトに似ている
個人的に、DMNってパソコンのソフトっぽいなって思っています。
脳が思考に使える容量=パソコンのメモリ
DMN=パソコンで動かしているソフト
って考えてみると、わかりやすいかと。
ソフトを立ち上げすぎると、メモリを圧迫して、パソコンの動きが重くなる。ひどい時にはフリーズ。そういう時にはソフトを終了させたり、再起動したりしますよね。その行為が、瞑想に当たるわけです。
ソフトを終了させるように簡単にDMNを抑えることができればいいんですが、人間の思考は悪質なプログラムのように終了できないことがあります。こんな例えで考えてみると、瞑想という行為に価値があることがわかりますね。
マルチタスクの効率が上がる
瞑想は、集中力と注意力を高め、マルチタスクの効率が上がる研究結果もあるようです。
たとえば、ある人事課スタッフたちを対象にした研究がある。スケジュール管理など複数のしごとを20分でこなすように言われたスタッフのうち、マインドフルネスを週2時間、5週にわたり行ったグループは、ただのリラックス法をやったグループよりも高い集中力を示したんじゃ。1つひとつの仕事に対する集中度が高まった結果、複数の仕事を短時間でこなせるようになったというわけじゃな(*2)
そもそもマルチタスクは集中力の敵ではあります。分散してしまいますから。しかし、現代で仕事をする上で、マルチタスクが避けにくいことも事実。
注意をうまく分散する働きや、障害を処理する働きをする脳の部位にも瞑想は影響を与え、マルチタスクの効率を上がる効果があるようです。
「ゾーン」との関連性も示唆
凄まじい集中力を発揮する、いわゆる「ゾーン」と瞑想の関連性も指摘されているようです。
DMNに関連する脳の部位に、後帯状皮質という部位があるのですが、この部位は「自己への囚われ」を担う部位であることが知られています。つまり、瞑想はこの自己への囚われを抑え、「自分」という存在の認識から退いた状態を作るわけです。この状態こそが「ゾーン」に入るということではないか、と考える研究者もいるようです。
瞑想を日常に取り入れることによって、「ゾーン」に入りやすい脳になる可能性があるということですね。
ADHDの症状が改善し、集中力増加が見込める
ADHD(注意欠陥障害)の方に対して、瞑想は症状を軽減する効果があることが示されています。2016年の論文が示すところによると、大学生の2-8%がADHDの基準に該当するとか。
ADHDの基準って個人評価のチェックリストの点数が基準の一つになっているので、基準に該当しないレベルだけど、軽度のADHDである、っていう潜在的ADHDはかなりいるんじゃないかと個人的に思ってます。生活に支障を起こすレベルじゃないけど、色んなことを考えてしまって一つの事に集中できない人とか、忘れ物が多い人とか。
注意をうまく振り分けられない、という症状が瞑想によって改善することで、集中力アップの効果が見込めるわけですね。
まとめ
瞑想がもたらす効果について、集中力という観点からお伝えしました。こういった古くから有用だとされているものが、科学的に立証されていくのは面白いですよね。
集中力がうまく続かないなぁ、、という悩みを持つ方は、瞑想という選択肢を試してみるのもよいと思います。
(*1-*2)「世界のエリートがやっている最高の休息法」久賀谷亮より引用
参考文献…
・「世界のエリートがやっている最高の休息法」久賀谷亮
・”A randomized controlled trial of mindfulness-based cognitive therapy for college students with ADHD” Y Gu, G Xu, Y Zhu – Journal of attention disorders, 2018